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相続贈与相談センターマガジン「新しい遺言書が出てきた!」

2015.09.11 | お知らせ

亡くなった人の遺言書が出てきたら、 遺産分割はその内容に従わなければ なりません。しかし、その後に新たな 遺言書が出たら、どうすればいいの でしよう。今回は、自筆証書遺言が2 通出てきたことで、骨肉の争いに発展した例を紹介します。

A.Tさんは革製品製造会社を 営み、品質が高く評価されていまし た。そのA.Tさんが2001年2月に亡 くなり、その四十九日も過ぎて顧問 弁護士が預かっていた1997年12 月の遺言書が開封されました。

内容は、A.Tさんが保有していた 会社の株式のうち、67%を当時の社長の次男・M.Hさん・M子さん夫妻に、33%を三男・I.Tさんに、銀行預 金のほとんどを長男・T.Hさんに相 続させるというものでした。

ところが、遺言書開封から3カ月後 の2001年6月に、長男のT.Hさん が、別の遺言書を持参しました。この 遺言書は、2000年4月付で作成され たもの。内容はA.Tさん保有の株式 75%を長男のTさんに、残り25% を三男・Iさんに相続させるとい うものでした。

二転三転した長い法廷闘争

複数ある遺言書の内容が抵触している場合、その抵触している部分に ついては、もっとも新しい遺言書の 内容が有効となる(民法1023条)た め、通常であれば第二の遺言書が有 効となります。ここから第一の遺言書側の次男夫婦と、第二の遺言書側の長男・三男との間で、長い法廷闘争 が始まったのです。

まず第二の遺言書の真偽を次男のMさんが訴訟を提起しますが、地 裁および高裁は勝訴を経て2005年 11月に最高裁判所から「遺言書が無 効と言える十分な証拠がない」とい う理由でMさんの訴えは退けられ ました。

その後、Mさんの妻・M子さんが原告となって新たに裁判所に提訴します。2009年5月、M子さんが提起 していた第二の遺言書の無効確認等の訴訟の控訴審判決において、高等 裁判所は第二の遺言書を有効とした原判決を取消し、第二の遺言書を無効とする逆転判決を出しました。

一方、長男・Tさんは、2009年 10月、M・M子両氏を相手取り、自分に会社の株主権や経営権を認める よう地裁に提訴します。2012年10 月、高裁はTさんの提出した第二の遺言書はA.Tさん本人の遺言書で あると認定し、Tさんに株の保有 を認める判決を下しています。

重要な争点はただ一つ、「第二の遺言書の真偽」だけです。筆跡鑑定も争点となりましたが、第一の遺言書では実印だった押印が三文判でも、記名が戸籍上の「澤村」でなく略字の 「沢村」だろうと、形式的に遺言の基準を満たしていれば、偽物と証明するのは難しいようです。やはり、生前に分割協議を行い公正証書遺言を残すのが鉄則です。

相続・贈与について気になること があれば、お気軽にご相談ください。

※記事内の名前はすべて仮名。設定は実話に基づきー部脚色 しています。

[POINT)

  • 遺言書が複数出てきたら、新しい 遺言書の内容が有効となる
  • 遺言書の真偽で遺族同士が争うの を防ぐため、公正証書遺言を残すのが鉄則

記事提供:相続・贈与相談センター本部

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