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相続・贈与相談センターマガジン 「自宅の相続で兄と妹が『争族』に! 遺言だけでは不十分なケースも?」

2017.01.13 | お知らせ

みなさんこんにちは、相続・贈与相談センター福山支部のおおたちです。

 

M.Tさん(54歳)は、兄Sさん(59歳)、妹Rさん(52歳)の3人兄妹の真ん中で、母Yさん(84歳)と東京都内の実家で同居していました。父は5年前に他界しており、実家の土地・家屋は母Yさんの名義です。兄Sさんと妹Rさんはそれぞれ結婚して子どもがおり、借家住まい。独身のTさんは実家で父を看取り。母Yさんの介護をしていました。

※記事内の名前はすべて仮名。設定は実話に基づき一部脚色しています。

母Yさんの介護のため早期退職したTさんは、母Yさんの年金収入で暮らしていました。知人の税理士からのアドバイスで、母Yさんには「自宅をTさんが相続する」旨の公正証書遺言を書いてもらいました。

それからすぐに母Yさんが息を引き取り、相続が発生しました。相続財産は自宅とわずかな預金だけ。相続税評価額で1億円に相当しますが、同居しているTさんは居住用宅地等の特例も受けて、相続税額はないと安心しました。しかし、Tさんが遺言の通り、実家の土地家屋を相続しようとしたところ、兄Sさんから「待った」がかかりました。

兄Sさんは母Yさんの全財産1億円のうち、法定相続分1/3の半分にあたる1/6相当を相続する権利があると主張してきました。

しかし、Tさんは兄Sさんに、1億円の1/6にあたる約1,667万円を支払えません。だからといって、自宅を3兄妹で共有することも望んでいません。

 

遺言で取り分が減っても「遺留分減殺請求権」がある

 

なぜ、兄SさんはTさんに相続を主張できるのでしょう?

法定相続人には、民法上一定の割合で相続財産を受け継ぐことができると定められています。この割合のことを法定相続分といいます。この法定相続分は絶対ではありません。被相続人は遺言によって、法定相続分を異なる遺産の分配を決めておくことができるからです。

遺言が適式であれば、たとえ法定相続分と異なる遺産の分配の割合を定めていたとしても、有効となります。法定相続分よりも、遺言の方が優先されるのです。

そうすると、相続人の中には、遺言が作成されたことにより、法定相続分よりも少ない財産しかもらえなくなる人が出てくることになるでしょう。遺言によって著しく法定相続分を減少させられると、法定相続人の期待を害することになります。

そこで民法は、法定相続人(兄弟姉妹を除く)に対して、遺言によっても侵しえない相続財産に対する最低限度の取り分を確保しています。この最低限度のことを「遺留分」といいます。遺留分権利者が遺留分を侵害された場合、遺留分の範囲内で遺産を取り戻せる権利ことを「遺留分減殺請求権」といいます。今回の事例で、兄Sさんはこの権利をTさんに主張したのです。

法定相続人にあっても、「兄弟姉妹」には遺留分が認められていません。遺留分が認められる法定相続人とは、「子」「直系尊属」「配偶者」だけです。なお、遺留分減殺請求権の消滅時効は1年です。

Tさんの今後の争いについて、専門家に相談することにしました。

≪POINT≫

●配偶者や特定の子だけに財産を渡す旨の遺言を作成しても、遺留分を想定しなければならない

●財産が自宅しない場合は、何らかの対策を打たないと、トラブルに発展する危険性がある

記事提供:相続・贈与相談センター本部

税理士法人エクラコンサルティング

 

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