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相続・贈与相談センターマガジン 「『相続放棄』せず『相続分の放棄』をしたばっかりに、連帯保証人債務を相続することに!」(後編)

2017.07.21 | お知らせ

みなさんこんにちは、相続・贈与相談センター福山支部のおおたちです。

東京・下町で町工場を経営していたYさんが亡くなり、相続が発生しました。資産は、自宅兼工場の不動産(評価額5,000万円)と約200万円の預貯金のみで、借入金はありません。相続人は長男のR太さんと長女のS子さんがいます。協議の結果、自宅兼工場はR太さんが引き継ぐことに。S子さんは相続分を放棄し、預貯金を100万円のみ相続することになりました。

遺産分割協議が終わって1ヵ月後(相続開始から6ヵ月後)になって、Yさんが知人の連帯保証人になっており、2,000万円の連帯保証債務があることが判明しました。この場合、R太さんとS子さんが1,000万円ずつ保証債務を相続することになります。S子さんは100万円を相続したばっかりに、保証債務を背負うことになったのです。

 

連帯保証債務があるときは、必ず相続人に知らせておくこと

 

納得がいかないS子さんは、弁護士に相談しました。弁護士は「家庭裁判所が認めるかわかりませんが、『保証の存在を知ってから3カ月以内なので、相続放棄の申請を受理して下さい』という旨の上申書を出すように」と勧めました。しかし、この上申書が家裁に受理されたとしても、金融業者から「受理は無効だ」と訴えられる可能性がゼロではなく、完全解決にはなりません。

今回のポイントは2点あります。まず、Yさんは生前に連帯保証債務の存在をR太さんとS子さんに遺言等で知らせ、S子さんに相続放棄するよう伝えるべきでした。S子さんを受取人にした一時払い生命保険に加入しておけば、相続放棄したS子さんでも、保険金を受け取れたのです。

もう一点は、S子さんは「相続分の放棄」ではなく、「相続放棄」をすべきでした。相続放棄とは、相続人が被相続人から受け継ぐべき全遺産(財産を負債)を放棄することを指します。また、相続財産に対して、負債のほうが多いかどうか不明な場合には、相続分がマイナスにならない程度に遺産を分割する「限定承認」という方法があります。相続開始を知った日から3カ月以内に相続放棄や限定承認を行わない場合は、単純承認をみなされ、遺産のすべてを引き継ぐことになります。

一方、今回S子さんが行った「相続分の放棄」とは、相続財産の大部分を遺産分割で放棄しただけに過ぎません。相続債務の負担を免れるものではないので注意しましょう。

 

≪POINT≫

●「相続放棄」と「相続分の放棄」は意味合いが大きく違う

●「相続分の放棄」とは相続財産の承継を放棄する意思表示に過ぎず、相続債務の負担を免れるものではない

記事提供:相続・贈与相談センター本部

税理士法人エクラコンサルティング

 

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