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相続・贈与相談センターマガジン 「グローバル化社会では不動産取引の相手が『居住者』かどうか確かめる必要がある!?」(前編)

2018.03.30 | お知らせ

みなさんこんにちは、相続・贈与相談センター福山支部のおおたちです。

個人や法人が非居住者から土地や借地権などの権利、建物、付属設備などを買って譲渡対価を支払う場合には、原則として、所得税等の源泉徴収をする義務が生じます(所得税法212条ほか)。最近は人の動きがグローバル化し、一見「居住者(国籍を問わず日本に居住していない方 ※1 )」に見える「非居住者(日本に居住していない方)」がいるようで、不動産取引の際にトラブルが生じることがあります。今回は、不動産取引の相手が居住者かどうかを確認しなかったため生じた悲劇を紹介します。

 

東京で飲食業(O産業)を経営するOさんは、会社名義で土地建物をHさんから購入することにしました。O産業は、Hさん個人から購入する契約に基づき、譲渡対価約7億6千万円をそのままHさんに支払いました。

OさんはHさんを居住者だと疑いませんでした。契約時の確認書類(Hさんの住宅兼事務所・貸駐車場である土地建物の登記事項証明書や印鑑証明書等)に、Hさんの住所として建物の所在地等が記載されていたからです。OさんがHさんに確認した際、「居住者」と認識しており、支払に対する課税関係の説明をした際にはHさんから疑義が述べられることもありませんでした。

非居住者に支払われる金額は、支払金額の88.79%相当額

後になって、税務署からO産業に対して、「所得税の源泉徴収がなされていない」として、源泉所得税を納めるよう納税告知処分を受けました。Hさんは対価を受け取る際、米国に住所 ※2 のある非居住者だったことが判明したのです。

非居住者が不動産を売却した場合には、一定の条件 ※3 に該当する場合、その不動産の購入者は売買代金の支払いの際、支払金額の10.21%相当額を源泉徴収して税務署に支払う義務があります。つまり、非居住者に支払われる金額は、支払金額の89.79%相当額で、残りの源泉徴収した10.21%相当額については、不動産の購入者が対価の支払をした翌月10日までに税務署に納付することになります。売却した非居住者は、確定申告をすることにより、源泉徴収した金額が精算されます。

Oさんは納得できず。税務署を相手取って裁判で争うことにしました。Oさんは、「Hさんの居住兼事務所は国内の居住であり、Hさんは日本に住んでいる居住者である」「支払の際、Hさんが非居住者かどうかを確認すべき注意義務を尽くしてのなお、Hさんが非居住者であると確認できない場合は、源泉徴収義務を負わないと言うべき」などと主張しました。(後編へ続く)

≪POINT≫

●グローバル化が進む現代、不動産取引の相手が居住者が非居住者かを確認する必要がある

●売主が非居住者の場合、買主が支払金額の10.21%相当額を税務署に納付する

記事提供:相続・贈与相談センター本部

税理士法人エクラコンサルティング

 

※1:「非居住者」とは、「居住者以外の個人」をいいます(所等税法2五)。

「居住者」は「日本国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居住を有する個人」とされていますから。「非居住者」は、次のいずれかに該当する者ともいえます(所得税法2三)。

a.日本国内に住所も居住も有していない人

b.日本国内に住所がなく、かつ、日本国内に引き続き居住を有している期間が1年に満たない者

※2:「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。したがって、「住所」は、その人の生活の中心がどこかで判定されます。

※3:不動産の売買金額が1億円以下で、かつ、購入した個人が自己またはその親族の居住の用に供にするためものである場合には、源泉徴収の必要はありません。

 

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