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グローバル化社会では不動産取引の相手が 「居住者」かどうか確かめる必要がある!?(後編)

2018.04.20 | お知らせ

みなさんこんにちは、相続・贈与相談センター福山支部のおおたちです。

 

 東京で飲食業(O産業)を経営するOさんは、会社名義で土地建物をHさんから購入することにしました。O産業は、Hさん個人から購入する契約に基づき、譲渡対価約76千万円をそのままHさんに支払いました。

 Hさんが米国在住ということでOさんは「所得税の源泉徴収がなされていない」という本来負わなくてもよかったものを負うことになり、Oさんは税務署を相手取って裁判で争うことにしました。(詳細は前編参照)

 

具体的な生活状況まで質問しないといけない?

 

Oさんは「Hさんの住宅兼事務所は国内の居所であり、Hさんは日本に住んでいる居住者である」「支払いの際、Hさんが非居住者かどうかを確認すべき注意義務を負っていると解されるが、注意義務を尽くしてもなお、Hさんが非居住者であると確認できない場合は、源泉徴収義務を負わない」と主張しました。

 これに対して裁判所は(1)Hさんが非居住者であるかどうかについては非居住者と認定し、O産業には源泉徴収義務がある」としたほか、(2)Hさんが非居住者であるかどうかを確認すべき注意義務をO産業が尽くしたとは言えず、O産業の主張を採用することはできない」と判断しています。

 事実関係を確認したところ、Hさんは「渡米後、米国籍を取得し、日本国内には米国発給の旅券で入国し、それ以降の日本の滞在期間は1年の半分にも満たない」「米国籍取得後は米国で住居を購入し、長男と同居」ということから、東京地裁は、対価を支払う相手方が非居住者かどうかの確認をする注意義務をOさんが尽くしていたかどうかについては、Hさんが米国口座に代金を送金する依頼をしていたことから「Hさんに対し具体的な生活状況等(Hさんの出入国の有無・頻度、米国における滞在期間、米国における家族関係や資産状況等)に関して質問するなどして、Hさんが非居住者であるか否かを確認すべき注意義務を負っていたというべき」とし、公的書類を確認したことのみをもって注意義務を尽くしたことにはならないとしています。

 売主(Hさん)が7,621万円を含む全額を申告納税したとしても、源泉徴収義務は買主固有の義務ですので、免れません。結局買主のO産業は、7,621万円を税務署に払い、その分は二重払いとなります。

 解決策は、売主(Hさん)が7,621万円をO産業に返金し、O産業が税務署に源泉納付、売主が申告納税して税務署から7,621万円還付されることです。しかし、売主が返金をしてくれない場合は、買主であるO産業の二重払いで終わり、加算税もかかります。

 

POINT

●グローバル化が進む現代、不動産取引の相手が居住者か非居住者かを確認する必要がある

●公的書類だけでなく、具体的な生活状況まで確かめないと、非居住者かどうか確認したことにならない場合がある

 

相続・贈与について気になる事があれば、お気軽にご相談ください。

 

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