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「貸付金も相続財産に入るから」と債権放棄するとどうなる?

2018.05.11 | お知らせ

Hさん(70歳)は、知人のKさん(58歳)に3,000万円の債権があります。これは事業をしていたKさんがHさんを連帯保証人とするノンバンクからの借入があり、10年前にKさんが事業から撤退し、資産をすべて売却処分しても残った負債金額です。おかげでKさんは自己破産せずに済み、毎月5万円ずつ無利子で元本の返済をする債務弁済契約公正証書を締結しています。万一、Kさんが死亡した場合は、Kさんの妻および相続人(子ども)が返済を継続すると、公正証書にも記してあります。相続対策の相談に訪れたHさんは、貸付金も相続税の課税対象になることをはじめて知りました。

 

債権放棄すると贈与とみなされ、受け取った側には贈与税がかかる

 

「あの3,000万円は毎月Kから返してもらっているけれど、全額回収できないのは明らかだ。元本を完全に回収するまでこれから何十年もかかり、そのころには私は生きていない。なんとかなりませんか?」

 こう相談してきたHさん。Kさんに貸した3,000万円が相続財産にならないようにするには、どんな方法があるのでしょうか?

 考えられるのは、Hさんが債権放棄をすることです。Kさんへの債権を放棄すれば、3,000万円はHさんの財産とはならなくなります。しかし、Hさんが債権放棄すると、3,000万円をKさんに贈与したものとみなされ、Kさんが贈与税を支払うことになります。

 相続税法第8条には「対価を支払わないで、又は著しく低い対価で債務の免除、引受け又は第三者のためにする債務の弁済による利益を受けた場合には、その利益を受けた人が、債務免除等が行われた時にその債務免除等に係る債務の金額を、その債務免除等をした人から贈与により取得したものとみなされます」とあるのです。

 しかし、Kさんの自宅は賃貸で主だった財産はなく、毎月の生活費から5万円ずつ返済するのがやっとという状態です。Kさんに贈与税を支払う資力がない場合は、Hさんがその相続税より高い贈与税を負担することになります。

 

弁済が困難だとされた価額分の贈与税は免除される

 

このように、債務免除を選択する状況は、債務者が既に債務超過の状態に陥り、今後返済の見込みがない場合はほとんどです。このため、債務免除による利益を受けた場合であっても、債務者が資力を喪失して弁済能力が著しく低いと判断された場合は、弁済が困難だとされた価額分の贈与税は免除されます。

 「今のところ、Kさんからは遅れずに毎月5万円返済してくれているから、弁済が困難とは言い難い。Kを交えて、もう一度相談させてください」と、Hさんは言いました。

 貸付金がある場合の相続は、慎重な対応が必要です。相続対策時には、家族に貸付金の存在を話しておくことをお勧めします。

 

POINT

●貸付金を債権放棄すると贈与とみなされ、受け取った側に贈与税がかかる

●債務を免除された場合の贈与税に関しては、弁済が困難だと判断されれば、困難とされた金額分が免除される

 

相続・贈与について気になる事があれば、お気軽にご相談ください。

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